沖縄料理の《そーめんチャンプルー》は、なぜ「そーめん」を炒めることになったのか?

沖縄料理の一つ《そーめんチャンプルー》。
なぜ、「そーめん:素麺」を炒めることになったのか、という点を調べてみました。

沖縄の《そーめんチャンプルー》は、なぜ「そーめん」が選ばれたのか?
素麺を束ねている紙の帯、
パスタと違って、計量する手間が省けて、細かい対応だなぁと思います

夏といえば、沖縄、そしてゴーヤがよく出回る季節。

最近の「ゴーヤチャンプルー」は、ゴーヤが日本各地で収穫されるようになって、沖縄に行かなくとも、身近に食べれる料理になってきていて、

「チャンプルー」は、もともとは沖縄の言葉で「ごちゃ混ぜ」という意味の言葉で、それが《炒める》ということを指すことになり、ゴーヤチャンプルーや豆腐チャンプルーなどの料理名になっています。

「チャンプルー」は、豆腐入りが本義で、「豆腐なし」の《そーめんチャンプルー》は、正式には「ソーミンタシヤー(そうめん炒め)」と呼びますが、ここでは一括りに《そーめんチャンプルー》としています。

 

そんなチャンプルー料理を見ていて、
ふと、疑問に思ったのが《そーめんチャンプルー》。

うどん、パスタ、沖縄そばの麺でなく、なぜ「そーめん:素麺」を炒めることになったのか。

「そーめん:素麺」は、乾麺の中ではかなり細い。
つけ麺として食べるのならば、その麺の細さによる喉越しのよさで、食欲が落ちやすい暑い夏にピッタリです。

しかし、「そーめん:素麺」は「炒める」という調理には扱いにくい感じがして、むしろアジア料理等でおなじみのビーフンとかの方が、調理に向いているような感じがします。

 

「そーめん:素麺」が選ばれた原因

調べてみると、こんな背景があったようです。

  • 沖縄では台風に備える“非常食”として乾麺を置く習慣があり、その乾麺の中でよく常備されていたのが「そーめん:素麺」だった。

  • 「そーめん:素麺」は1〜2分前後で茹で上がり、他の乾麺と比べて、ゆで時間が圧倒的に短く、停電等の非常時でも短時間で調理できる

  • 「そーめん:素麺」は、歴史的に沖縄でいちばん身近な乾麺だった。琉球国時代の宮廷料理にも登場していて、沖縄の一般家庭でもハレの日の料理として食べられていた。

台風等の影響で、しばらく買い物ができないことがある場合に備えて、沖縄では「そーめん:素麺」が常備品だったんですね。

 

沖縄でも「そーめん」が作られていた

さらに調べていて初めて知って驚いたのが、
沖縄でも「そーめん:素麺」が作られているということ。

日本の「そーめん:素麺」といえば、
 揖保乃糸で有名な兵庫県
 三輪の奈良県
 小豆島そうめんの香川県
が、日本三大素麺の生産地。

沖縄の《そーめんチャンプルー》も、それらのものを使っているのかなぁと思っていました。

ところが、
沖縄でも「そーめん:素麺」が作られていて、
代表的なものでは、

  • 龍頭素麺
    沖縄製粉が製造する手延べ「そーめん:素麺」。
    特にソーメンチャンプルーなどの炒め物に適しているのが特徴で、油との馴染みが良く、炒めても麺がくっつきにくく、パラパラとほぐれる。

というのがあって、炒めやすいように作られているようです。

基本的に小麦粉があれば「そーめん:素麺」は作れるから、日本本土から「そーめん:素麺」を運ぶよりも、現地で作ったほうがいいですよね。

 

最後に、一般的な《そーめんチャンプルー》の作り方の紹介です。

 

そーめんチャンプルーの作り方

材料(2人分)

  • そうめん:3束(約150g)
  • ツナ缶(またはポークランチョンミート/スパム50〜70gでも可):1缶
  • 玉ねぎ:1/4個(薄切り)
  • にんじん:1/3本(細切り)
  • ニラ(または青ねぎ):1/2束(3〜4cm)
  • 卵:2個(溶いておく・任意)
  • サラダ油:大さじ1+小さじ1(麺用)
  • ごま油:小さじ1(仕上げ用)
  • かつお節・白ごま・こしょう:適量(仕上げ)

合わせ調味料(A)

  • しょうゆ:小さじ2
  • 酒:小さじ2(なければ水でも可)
  • みりん:小さじ1(甘さ控えめなら省略可)
  • 顆粒だし:小さじ1/3(または白だし大さじ1に置換、その場合しょうゆは半量)

作り方

  1. そうめんを硬めにゆでる
    たっぷりの湯で袋表示より30〜60秒短くゆで、ザルにあげる。流水で手早く“表面のぬめりだけ”落としてしっかり水気を切る。
    → ボウルに戻し、サラダ油小さじ1をからめてほぐしておく(くっつき防止)。
  2. 具材を炒める
    フライパンにサラダ油大さじ1。スパムを使う場合は先に焼き色をつけて取り出す。玉ねぎ・にんじんを入れ、しんなりするまで中火〜強火で炒め、ツナ(油を軽く切る)を加える。
  3. 麺を投入
    強火にして、油をからめたそうめんを入れる。ほぐしながら広げ、触りすぎないのがコツ。固まるようなら水またはだしを大さじ1〜2ふって蒸気でほどく。
  4. 味付け
    合わせ調味料(A)をフライパンの縁から回し入れ、全体を手早くあおってなじませる。
  5. 仕上げ
    ニラ(または青ねぎ)を加えて30〜60秒。卵を使うならフライパンの端で半熟にしてから全体にざっくり合わせる。取り出してごま油小さじ1を回しかけ、かつお節・白ごま・こしょうをふる。

おいしく作るコツ

  • 麺に油を先にまとわせる:ダマ防止策。
  • 強火・短時間:炒めすぎるとブチブチ切れやすい。
  • 水分コントロール:ほぐれにくければ“少量の水(またはだし)”を霧吹き感覚で。入れすぎるとベチャつくので注意。

 

おまけ:「そーめん:素麺」の由来

「素麺」と書いて、なぜ「そーめん」と読むようになったのか

名前の来歴は「索餅(さくべい)索麺(さくめん)素麺(そうめん)」が通説とされています。

奈良~平安期に唐から来た索餅(麦縄)が宮中行事(七夕)の供え物になり、中世に“麺状”の索麺が現れ、のちに当て字の素麺が一般化した—という流れです。

読みが「さくめん→さうめん→そうめん」に変化したとする説、禅院の精進=「素」から当てたとする説などもあります。

 

日本のいつの時代から「そーめん:素麺」を食べ始めたのか

  • 奈良~平安(8~10世紀)

    宮中の七夕で索餅を供える記録が『延喜式』(927年編成)に見える=“そうめんの祖”が年中行事に組み込まれていた。

  • 鎌倉~室町(13~15世紀)

    手延べ系の索麺が登場。文献上「素麺」の語が初めて確認できるのは、祇園社『祇園執行日記』康永2年(1343)「丹波素麺公事免除」の条(“初見”としてしばしば引用)。この頃は寺社・宮中の宴など“ハレ”の食だった。

  • 江戸(17~19世紀)

    製粉・流通が発達し、三輪・播州(揖保)・小豆島・島原などの産地で手延べ素麺が本格生産、庶民にも普及。各産地の古文書にも「サウメン」の記載が残る。

 

 

Bon appétit♪

 

 

 

 

 

 



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