念願の<ふぐの卵巣のぬか漬け>を食してみました。
毒をもつ ふぐ
「ふぐの白子」といえば、
ふぐちりのお鍋のときにいただくと、
濃厚な味わいが印象的な一方、
一部のふぐの白子には毒があるため、
食べると中毒や死に至ることもありえる怖い物体。
きちんとしたところの、ふぐをいただきたいです。
この記事の本題ではありませんが、
ふぐの白子についてWebをみていたら、こんなことを知りました。
- ふぐの卵巣は猛毒で、白子として食すのは精巣。
- ふぐの毒の成分は「テトロドトキシン」
(青酸カリのおよそ850倍の毒素。
自然界の毒として最強と言われるマイトキシンの次に強い猛毒)- 食用22種類の内4種類のふぐは、白子に毒を有する
(ヒガンふぐ、くさふぐ、コモンふぐ、サンサイふぐ)- 漁獲される場所によっては食用できない白子もある
(有明海で取れ、長崎県が定める要領で処理された
ナシふぐの白子は食用可だが、それ以外はダメ)- とらふぐの白子には毒は無い
食用と非食用のふぐの区別や、ふぐの種類ごとでの食用可否の部位とか、
専門の人でないと、判別できませんので、
素人が、ふぐを捌いて、食したら、本当に危険ですね。
元になったのは、こちらのふぐ屋さんのサイトです。
日頃ふぐを扱われている、専門の方が、
ふぐについていろいろな視点で紹介され、
その奥深さを知りました。
ぬか漬けの発酵が ふぐの毒を消す?
ふぐの内蔵には毒があり、
とくに精巣や卵巣は、食すのに細心の注意が必要なものです。
この本題である
「猛毒も消し去る発酵パワー <ふぐの卵巣のぬか漬け>」とあるように、
この毒が発酵の力で消えてしまうから不思議です。
ずいぶん前に、そのことを、
発酵が専門の小泉武夫先生の本を読んで知りました。
たしか、↓この本だったかと。。。
普通のぬか漬けのように、
数日漬けただけでは毒は消えず、
2年間漬け込む必要があるようです。
この「2年間」という期間にたどり着くまでに、
半年漬けたものを食べて亡くなる、
1年間漬けたものを食べて亡くなる、
1年半漬けたものでも同じ、
というような、何人もの犠牲者が出たんだろうと思います。
ふぐ自体が高級食材で、しかも2年間も漬け込むので、
この<ふぐの卵巣のぬか漬け>は、
ものすごい高級食材だろうと思っていて、
話は知っているけど、食べたことのない食べ物の一つでした。
石川県の名産品「ふぐの子」
そんなある日、地域の物産展に行ってみると、
この<ふぐの卵巣のぬか漬け>がありました。
その名も「ふぐの子」
お値段も、それほど高くない。
思わず、買いました。
開けると、こんな感じです。
ぬか漬けにされた ふぐの卵巣がラップに包まれています。
開けただけで、独特の芳香が漂います。
中華の発酵調味料にも似た香りです。
魚介類だからですかね?
やや強めの塩味があるので、
ガブガブ食べるよりも、
お酒の珍味のように、
ちょびちょびと食べて呑むのに、ピッタリ。
また、卵ご飯に乗せる形にした、
こんなアレンジの食べ方も良かったです。
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この<ふぐの卵巣のぬか漬け>、
製造元のこちらのサイトで買うことが出来ます。
ふぐの毒が発酵で消える理由
ところで、
ぬか漬けにして ふぐの毒がどうして消えるのかは、
今だにその仕組がわかっていないようです。
ふぐの卵巣をぬか漬けにする前の工程で、
塩漬けし、水分を抜いた段階で、
毒素の量はかなり減るものの、完全には消えておらず、
次のぬか漬けで漬ける工程で、
食用できるレベルまで減毒になるそうです。
その減毒には、ぬか漬けの何かしらの菌の発酵作用が、
毒素に対して働いているのではないか、ということなのですが、
いまだメカニズムは解明されていないようです。
発酵の力、不思議ですね。