お米と日本人の歴史

日本人の歴史=《お米》の歴史

日本の《お米》文化
2号炊きの土鍋での炊飯

 

 

我が家では、電気炊飯器が数年前に壊れて以来、土鍋でお米を炊いています。

土鍋炊飯は、だいたい20分程で炊きあがるので、電気炊飯器よりも、お手軽に感じる。炊飯途中の火加減の調整に気をつけないといけなく、土鍋を火にかけているときは、そのことにきちんと向き合うことが大切。それさえ気をつければ、《お米》がごはんに変わってくれる。

あるとき、土鍋で炊飯をしているときに、ふと、日本の歴史や文化における、お米の存在について考えてみました。

  • 農耕社会の形成:
    古代から日本は農耕社会であり、《お米》は主要な食糧として栽培されてきた。稲作は日本の気候や地形に適しており、日本の農耕文化の基盤となっている。

  • 神聖視される存在:
    古代から《お米》は日本で神聖視され、豊穣や安全、幸福を象徴する存在として扱われてきた。神社の祭りや年中行事においても、《お米》が重要な役割を果たしている。

  • 政治経済の中心:
    歴史的に、《お米》の生産と配給は政治的な中心的な問題だった。古代から中世にかけては、荘園制度や米の支配が政治経済の基盤となっていた。江戸時代に入ると、《お米》が徳政令や米価統制の対象となり、幕府の支配力を象徴するものとなった。

日本の気候に適した農作物だった《お米》

麦や豆などの穀物がある中で、《お米》がこれだけ普及したのは、日本の気候に《お米》の生育条件が適していたからだろう。

日本での《お米》の栽培は、水田を使ったものが一般的で、他の穀物と栽培方法が異なる。日本での水田栽培は、約3000年前に始まったと言われている。

調べると、水田というのは、もともと熱帯知識の植物だった《お米》を、日本の温帯地域で育てることを可能にし、大発明だったらしい。水を貯め、水が抜けないようにして中で稲を育てる水田。それを可能にするには、豊かな水が必要。日本では、雨季や乾季のような降雨の有り無しがはっきりした気候ではなく、一年を通じて降雨があり、河川や雨などによる水が四季を通じて豊富にある。

今では、《お米》の品種改良により、北海道などの寒冷地域での稲作が可能となっている。

なお、昔は、四国のような雨が足りない地域では、水が少なくとも育てられる、小麦などの穀物が作られ、それがやがて「讃岐うどん」となる。また、北部の寒いエリアでは、米の代わりに生育期間が短い蕎麦が作られる。これはこれで、日本の食文化が多様化にもなる。

食べるものを探し求める狩猟民族から、安定的に《お米》の栽培ができたことで、農耕民族に変わっていった。

 

《お米》=神様

古代から《お米》は、神様が作った神聖な作物として扱われて、「神様が込め(=米)られたもの」と考えられたという。

家に神棚や仏壇がある家では、炊いた《お米》がお供えされる。また、《お米》より作られるお餅。これには「稲の神様である稲霊(いなだま)」を表しているという。

現在でも、天皇による神事では、神嘗祭・新嘗祭など、《お米》を含む五穀豊穣を祈念するものが行われている。新嘗祭は、稲の収穫を感謝して神饌を供える稲作儀礼で、稲作が始まった弥生時代(二世紀頃)頃に始まったという。 その年に収穫された稲穂に思いを込め感謝するとともに、翌年の豊作と商売繁盛を祈願する。

相撲も、五穀豊穣を祈願したものが由来しているという。相撲は、神様に奉納する祭事で、本来は、相撲の勝ち負けで、翌年の豊作や豊漁で占っていたという。

 

経済を表す指標となった《お米》

戦国時代・江戸時代には、《お米》は貨幣的価値を持ってくる。

戦国時代、豊臣秀吉により、日本全国を検地し、各地の測量と土地の《お米》の生産量、税金として納める年貢(《お米》の量)が定められた。

その時代の国内の領地は、「加賀百万石」のように、「石」という単位で評され、領地内で生産できる《お米》の量を表すと同時に、国力を表す。

なお、「1石」はおおよそ5〜6俵の《お米》に相当し、「加賀百万石」は、年間で約500,000〜600,000俵の《お米》を産出するということになる。1俵はおおよそ60kgの《お米》に相当する。また、1石は一人が一年間に食する《お米》の量を表し、「加賀百万石」は100万人分の《お米》を作れたということを意味するらしい。

また、当時の大坂には、各藩の年貢である《お米》が集まり、米蔵ができる。それらの年貢米の仲買人への入札等を行うお米の取引所が開設される。この《お米》の入札価格が、日本全国の米取引価格の基準となる。また、取引所ができ、先物取引のもととなる「帳合米商い」が生まれることになる。

 

日本の《お米》を見てみると、日本の風土に深く根ざしたものであると、改めて感じます。

 

 

Bon appétit♪



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